37番札所 岩本寺 〜 38番札所 金剛福寺の間を歩きながら立ち寄った場所です。立ち寄れて幸運だった場所もありますが、時期によって見ることができる景色が違うこともまた、歩く楽しさだと思います。
他の札所から行くことができる四国のスポットは、下記の記事にまとめました。
目次
美術館の会場は砂浜!? Tシャツアート展
砂浜 + Tシャツ = アート!?
GW中、高知県で海沿いの遍路道を歩いていると、海岸でイベントが開催されていると知りました。
ちょうど歩く道すがらにあるし、という軽い気持ちでした。
Tシャツでしょ? Tシャツがアート??
そんな気持ちとともに朝、砂浜に向かったのでした。
会場かなと思われる場所には大きな駐車場があり、そして駐車場と砂浜の間は木で覆われて、砂浜の様子がなかなか見えません。
「砂浜美術館で開催されているTシャツアート展」とあったので、美術館の建物がなにかあるのかなと思いきや見当たらず。
スマホの地図が指しているのはこの辺りのはずだけど、方向音痴の私、本当にここで合っているのか自分で自分を疑い始めました。
木々の隙間から、砂浜をのぞいてみると……。
砂浜に打ち込まれた杭とロープで展示された、たくさんのTシャツが風に吹かれながら踊っていました。
しかもまだ早朝だったからか、サーファーさんと遍路(私)しかいません。
遠目から見ても想定外のTシャツの数に!!
そして貸切状態の砂浜に!!
さっきまで自分を疑っていたのを棚に上げ、砂浜の入り口で朝からテンション急上昇。
砂浜に遍路靴は不要だとばかりに靴を脱ぎ捨て、Tシャツに向かって裸足で駆け出したのでした。
爽やかな朝の砂浜に似つかぬ長袖長ズボン(日焼け防止)、金剛杖と靴を脇に抱え、リュックを揺らし……。
ガサガサ言わせながら、Tシャツに向かって走る姿を多分誰にも見られていないのが幸いだったと思います。
近づいてよくよくみると、Tシャツの絵柄が全部違います。
どんなプリントがされているのか、全部見るだけでも一日過ごせそうな数が並んでいます。
ポスト発見。
さすが美術館です。
超写真初心者な私でも、簡単に映えっぽい写真を狙える場所に立っていました。
ポストの脇にはクジラがプリント(?)されていて、こだわりがとても可愛いです。
今日、まだ全然歩いていないのに、これからたくさん歩かないといけないのに、静かな浜辺がとても心地よくて、しばらくTシャツと海を見ていました。
波の音と、Tシャツをはためかせる風の音だけの時間で。
普段仕事でも、そして歩き遍路に来ても急いでしまっている自分を、見つめさせてくれた時間になりました。
早朝だったので立ち寄れなかったのですが、海辺のお店では地元黒潮町や、幡多地域の特産グルメや工芸品が販売されるそうです。
美しい景色を楽しみながら、肉巻きおにぎりやかつおギョーザ、豆腐ドーナツなどのご当地フードも味わえます。
1989年から続いているという展示会。GW期間中の期間限定で、毎年開催されているそうです。
ポストの他にも「砂浜に、こんな空間ができてる!?」とびっくりしたスポットがたくさん作られていて、普段あまり写真を撮らない私もつい夢中になりました。
そんなTシャツアート展の写真は、↓の公式サイトからも見ることができます。
「Tシャツアート展」会場 & 日程
黒潮町観光公式サイト:Kuroshio Kanko
砂浜美術館のサイト:砂浜美術館 – SEASIDE GALLERY
札所以外のお寺にも立ち寄り、田浦の観音様
遍路道に大きな看板が出ていたのを見て、思わず寄り道をしてしまった、観音様のいるお寺です。
看板の矢印の先をスマホで見ると……山?
歩き遍路用の地図にも山しか載っていません。
どれくらい歩くのかが見当もつかず、行こうかどうか迷いながら看板の下で一人オタオタ。
次、この辺りに来るのは数年後だし……と思い、観音様に惹かれてたのもあり行ってみることにしたのでした。
道中、ちょこちょこ案内があるので、案内に沿って歩くと山登りが始まります。
登ってたどり着いたお寺には、美しい十一面観音様がいらっしゃいました。私が行ったときはとても静かで、ゆっくりお参りできました。
道中については、↓に書いています。
たまたま法事がなかったご住職様がいらっしゃって、お茶をいただきながらお話しした思い出の場所です。
足摺岬目前で、本格チャイに癒される!
足摺岬にある金剛福寺まで80kmほどあった道のりも、残り5kmくらいのところまで来た!
という遍路道の脇に、ずっと不思議に思っていた建物がありました。
1回目の時は、たくさん歩く予定を組んでいたのでただ通り過ぎ。
2回目では、誰もいない様子だったので通り過ぎ。
3度目の正直といいますか。3回目通りがかると、ドアが開いている……!?
どんなことをしている建物なのか分からなかったので、近くまで寄る勇気がなく。
立ち止まって、お遍路道から中の様子をうかがっていると。
出てきたマスターに
「一杯飲んでいくか」
と声をかけていただいて、一休みすることになりました。
開けている時期は不定期みたいで、マスターがいたりいなかったりということで、今回はラッキーだったようです。
青空の下で、本格的なチャイを飲めるなんて思ってもいませんでした。
お話を聞くと、チャイが好きすぎてインドに4年いたというマスター。
なるほど納得の美味しさで、写真にも写っている様な小さなやかんで出してくれました。
次も開いてるといいな。
その日はチャイを飲んだ後、金剛福寺まで5kmのみ歩く予定だったのも、うまく立ち寄れた理由だと思います。
というのも、歩き遍路で足摺岬の金剛福寺を打った(お参りした)日、お参り後の歩程はだいたいこの2パターンを選ぶ人が多いかなと思います。
金剛福寺を打った後、歩いて向かう先は……
⒈来た道をもう一度戻って、前日と同じ宿にもう一泊する
⒉金剛福寺の近くにある宿に泊まる
ただ、それぞれ選んで私が思うのは、
⒈を選んで、前泊した宿に戻ると……
宿に連泊するから、宿に荷物を置かせてもらって身軽で金剛福寺までを往復できるけれど、40キロほど歩くので急ぐことになります。1周目の時は足摺岬の景色もあまり見ずに、急げ急げ〜と歩いた記憶があります。
⒉を選んで、金剛福寺の近くにある宿に泊まると……
余裕を持って行けるため、金剛福寺のある足摺岬を散策できます。その反面、「ああ、歩く距離伸ばせないのは勿体無いなかったかなぁ。1日分遅れちゃうなぁ」とか考えてしまったりします。
通し打ちをしていれば、この辺りを歩く頃には、足腰がかなり鍛えられていそうなので迷うところです。私は腰を悪くしてからは、無理せずに、⒉で金剛福寺まで歩くようにしています。
札所以外の寄り道で、四国の良さを再発見
歩き遍路をしていると、いつも「今日は⚪︎⚪︎Km歩いた」と今日どれくらい歩いたかを考えながら、先へ先へと歩を進めることばかり考えてしまう私。
仕事の合間に遍路をするとなると尚更で、限られた時間でこれだけ歩くんだと考えてしまいがちでした。
腰のヘルニアになってから、歩く距離にこだわりすぎることをやめました。
体を気遣うと心にも余裕ができて、遍路道の周りの景色が見える様になり始めたのでした。
ゆっくり休憩したり、少し他に足を伸ばしてみたりできる様になって、改めて四国の素敵な部分がたくさん見えてきました。