79番 天皇寺の近くにあるのは、言わずと知れたところてんの名店、清水屋です。
近くに湧き水もあり何気なく涼んでいたのですが、200年以上の歴史を持つ清水屋よりもさらに長い歴史があると知り、お遍路旅の楽しさを知れた思い出の場所です。
暑い季節にオススメの、香川県の歴史と食を楽しめるスポットです。
その他の札所から訪れた四国の旅スポットは、こちらのブログにまとめています。
旅の疲れが癒えるところてん
200年以上続く理由がわかる美味しさ!
天皇寺がもう目の前というところでお茶屋さんがあります。
実は、歩き遍路1周目と3週目では、営業時間外で寄れずに残念な思いをしました。
200年以上の歴史ある、ところてんのお店。
ところてんで思い起こされるのは、夏にポン酢を掛けて食べていた、子供のころの記憶です。
ところてんは甘さにも合うのか……?
コンビニなんかでスイーツ買うときも、いつも洋菓子ばかりで、甘いところてんを食べたことはありませんでした。
ちょっと迷いながらも、甘い味の方を食べてみようかなと思ったのは、お店の前に出ていた看板の種類の多さでした。
パッと見ただけでも、いろんな味が楽しめるのが分かります。
外で食べれるのも風情があっていい感じです。
迷いながら注文したのは、白玉やあんこが入ったあんみつではなく、ザ・ところてんって感じのメニュー!
嬉しいことに、もりもりでやってきました。
スプーンですくって一口食べ……。
あれれ、ところてんって、こんなんだっけ?
子供のころ食べてたところてんとは別物!?
っていう食感。
子どものころのポン酢の記憶が、一瞬で塗り替えられた美味しさ。
江戸時代から続いている老舗なだけあって、国産の寒天を使うなど材料もこだわりがあるようです。
黒蜜きなこ最高でした!
普段、歩き遍路中にお土産は買わないのですが、思わずその場でお土産に持って帰ろうとしました。
ただ、ところてんを背負って歩く体力がなく。
後からネットで購入しました。
ところてんを食べながら、ある疑問が
お店のすぐ脇からは,コンコンと水が湧き出ていました。
なるほど、ところてんを冷やすときにここの水を使っているようです。
見ているだけでも涼しげで、夏の遍路道での疲れも癒されるなぁと思いながら……ふと疑問が。
香川県って水不足になりやすいことで有名じゃなかったっけ? と。
写真は、飛行機の窓から見た香川県の町並み。
パッとみただけでもあちこちに池が見えます。
水を貯めるためのため池だったんですね。
香川県は、面積あたりのため池数が全国1位だそうです。
それくらい普段から水を溜めておく必要がある香川県で。
ここ、「ところてんの清水屋」の脇からすごい勢いで水が出てるのって、実はすごいことなのでは……?
水不足は、平安時代にも記録が
香川県って、昔から水不足が問題になってたんですね。
学問の神様としても有名な菅原道真も、讃岐国で雨乞い祈願をした記録があるようです。
香川のお遍路道中は、よく小麦畑を見ていたので、お米よりも小麦の方が育てやすかったのだろうな、なんて思ったのでした。
1,000年以上の歴史ある霊水だった
そんな慢性的に起こる水不足の香川県において、ここの湧き水はなんと……。
源平合戦の時代の歴史にも登場するそうです。
鎌倉幕府は1185年だから1,000年近く前ですね(どんぶり勘定です)。
時の権力争いに敗れ、讃岐国へ追われた崇徳天皇。
都に戻ることなく讃岐国で亡くなってしまいます。
その遺体の状態を保つために、ここで水で清めていた、という話が残っていました。
その昔、お大師様もここで水を飲みながら休憩することもあったのかな……なんて、歴史に思いを馳せるのも楽しかったです。
札所は八十八番じゃないのに、なぜ八十八(やそば)?
近くの天皇寺は79番なのにここは八十八?
どういうことだろうと思って調べてみました。
1900年ほど前、日本武尊と”88″人の勇士が暴れる悪魚と戦った際に傷つき、霊水のおかげで回復したことが由来なのだそうです。
半端ない歴史ある場所だということを知ったのでした。