遍路道でところてんを食べてひと休み| 79番付近【歩き遍路の寄り道ガイド】


79番 天皇寺の近くにあるのは、言わずと知れたところてんの名店、清水屋です。

近くに湧き水もあり何気なく涼んでいたのですが、200年以上の歴史を持つ清水屋よりもさらに長い歴史があると知り、お遍路旅の楽しさを知れた思い出の場所です。

暑い季節にオススメの、香川県の歴史と食を楽しめるスポットです。

その他の札所から訪れた四国の旅スポットは、こちらのブログにまとめています。

旅の疲れが癒えるところてん

▪️場所▪️
場所:八十八名物ところてん清水屋
住所:香川県坂出市西庄町759-1
最寄り駅:八十八駅から徒歩5分ほど
遍路道から行きやすさ:天皇寺へ行く道中

200年以上続く理由がわかる美味しさ!

天皇寺がもう目の前というところでお茶屋さんがあります。

実は、歩き遍路1周目と3週目では、営業時間外で寄れずに残念な思いをしました。

200年以上の歴史ある、ところてんのお店。

ところてんで思い起こされるのは、夏にポン酢を掛けて食べていた、子供のころの記憶です。

ところてんは甘さにも合うのか……?

コンビニなんかでスイーツ買うときも、いつも洋菓子ばかりで、甘いところてんを食べたことはありませんでした。

ちょっと迷いながらも、甘い味の方を食べてみようかなと思ったのは、お店の前に出ていた看板の種類の多さでした。

パッと見ただけでも、いろんな味が楽しめるのが分かります。

外で食べれるのも風情があっていい感じです。

迷いながら注文したのは、白玉やあんこが入ったあんみつではなく、ザ・ところてんって感じのメニュー!

嬉しいことに、もりもりでやってきました。

スプーンですくって一口食べ……。

あれれ、ところてんって、こんなんだっけ?

子供のころ食べてたところてんとは別物!?

っていう食感。

子どものころのポン酢の記憶が、一瞬で塗り替えられた美味しさ。

江戸時代から続いている老舗なだけあって、国産の寒天を使うなど材料もこだわりがあるようです。

黒蜜きなこ最高でした!

普段、歩き遍路中にお土産は買わないのですが、思わずその場でお土産に持って帰ろうとしました。

ただ、ところてんを背負って歩く体力がなく。

後からネットで購入しました。

ところてんを食べながら、ある疑問が

お店のすぐ脇からは,コンコンと水が湧き出ていました。

なるほど、ところてんを冷やすときにここの水を使っているようです。

見ているだけでも涼しげで、夏の遍路道での疲れも癒されるなぁと思いながら……ふと疑問が。

香川県って水不足になりやすいことで有名じゃなかったっけ? と。

写真は、飛行機の窓から見た香川県の町並み。

パッとみただけでもあちこちに池が見えます。

水を貯めるためのため池だったんですね。

香川県は、面積あたりのため池数が全国1位だそうです。

それくらい普段から水を溜めておく必要がある香川県で。

ここ、「ところてんの清水屋」の脇からすごい勢いで水が出てるのって、実はすごいことなのでは……?

水不足は、平安時代にも記録が

香川県って、昔から水不足が問題になってたんですね。

学問の神様としても有名な菅原道真も、讃岐国で雨乞い祈願をした記録があるようです。

香川のお遍路道中は、よく小麦畑を見ていたので、お米よりも小麦の方が育てやすかったのだろうな、なんて思ったのでした。

1,000年以上の歴史ある霊水だった

そんな慢性的に起こる水不足の香川県において、ここの湧き水はなんと……。

源平合戦の時代の歴史にも登場するそうです。

鎌倉幕府は1185年だから1,000年近く前ですね(どんぶり勘定です)。

時の権力争いに敗れ、讃岐国へ追われた崇徳天皇。

都に戻ることなく讃岐国で亡くなってしまいます。

その遺体の状態を保つために、ここで水で清めていた、という話が残っていました。

その昔、お大師様もここで水を飲みながら休憩することもあったのかな……なんて、歴史に思いを馳せるのも楽しかったです。

札所は八十八番じゃないのに、なぜ八十八(やそば)?

近くの天皇寺は79番なのにここは八十八?

どういうことだろうと思って調べてみました。

1900年ほど前、日本武尊と”88″人の勇士が暴れる悪魚と戦った際に傷つき、霊水のおかげで回復したことが由来なのだそうです。

半端ない歴史ある場所だということを知ったのでした。